2023年06月25日

映画「ぼくたちの哲学教室」鑑賞

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この手の「こども哲学」は以前から興味があって
(前職時からオトナ向けだけど「てつがくカフェ」も何度も主催したし、創業時もやった)
今回は勧められて、横浜の伊勢佐木町の小さい映画館に見に行った。
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北アイルランド紛争時の戦禍の爪痕もまだ残る街で、
小学校の校長先生が子どもたちに「暴力」(いじめ)について、授業を通じて、
子ども同士のトラブルを通じて向き合わせ、考えさせる。

戦争はウクライナを始め行われており、
「暴力」と「平和」は、まさに私たち共通の向き合う課題であり、このような授業だけで、
簡単に世界の問題が解決するとは、私はもちろん思わない。

終盤、友だちに暴力を”また”ふるってしまった男の子の言い訳が
「お父さんが「やられたらやり返せ」といつも言っているから」
というシーンがあった。

学校で非暴力を教えても身近な家庭で逆のことを毎日教えれば、意味がない。
校長先生は、お父さんにどう暴力が嫌だということをどう対話したらよいのか、
子どもと話しあった後、実際に「対話」のロールプレーをする。
オトナへの反論の仕方を学ぶ。

「いじめ」は子どもだけの問題でない、目に見えない形であれば
オトナの世界でももちろん横行している。
どう対処すれば、人類は「幸せ」に生きられるのか。

「対話」や「哲学」は、「理想」に終わらないことを願う。

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neco5959 at 23:46|PermalinkComments(0)

2023年03月01日

神という存在について

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ある会合で、宗教談義になり、久しぶりに、スピリチュアルモードになったので、書き留める。

私自身としてはクリスチャンである。
父親が青年時代からクリスチャンであったこともあり
キリスト教の教義は自分にとってどうなのかどうかという以前で、
「神様」の存在は空気みたいな存在である。
時折離れることはあっても、基本的は神様とつながっている。
こちらの気持ちが離れようが、それで私を見放すような、心が狭い神様ではない。

人間なので、辛くなれば「神頼み」する。
(ちなみにご利益を願う、というのともちょっと違う感覚だが、助けてもらいたいとお願いする感じ。)

年を重ねていくと、
いろいろな経験を経て、いろいろな思いが心にたまってくる。
「こんなはずではなかった」
「あれをこうすればよかった」
「本当は私は●●だけれど、言わないでおく」

そうした、さまざまな思いを振り返るときに、寄り添うのが「神様」なのだと思う。
もちろん、実在の”ヒト”が寄り添ってくれる場合もあるが、
いつでも、そういう”ヒト”がいるわけではない。
時間的、空間的、心理的な壁もある。

チェーホフの「ワーニャ伯父さん」で、
主人公の妹、ソーニャが、いろいろな辛い出来事の後に、伯父にかける言葉が心に沁みる。

「ワーニャ伯父さん、生きて行きましょう。
長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。
(略)そしてあたしたちの最期がきたら、おとなしく死んでゆきましょう。
そしてあの世で申し上げるの、あたしたちは苦しみましたって。涙を流しましたって。
つらかったって。すると神様はあたしたちのことを憐れんでくださるわ。(後略)」

寄り添っても具体的に何もしてくれないなら、
意味はないではないかと思う人がいるかもしれない。

もちろん、何かをしてくれればそれに越したことがないが、
それが長い人生のなかで、
ある出来事の流れが本当の私のためなのかどうかは神のみぞ知るわけで、神の計画である。
ただ誰かは分かってくれる人がいる、ということで救われるというのが宗教のような気がしている。
それはキリスト教であろうが、仏教であろうが、神教であろうが、同じではないか。
特に私にとって神は親しい友人に近いかもしれない。



neco5959 at 01:58|PermalinkComments(0)つぶやき 

2022年09月04日

メモ『「利他」とは何か』

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「利他」という言葉が気になったので読書。
仏教用語だが、私的には(クリスチャン)キリスト教的アプローチの方がなじみ深い。
印象に残った(分かりやすかった)、伊藤亜紗氏の章のみをメモに。
『「利他」とは何か』 (集英社新書) 

第1章「うつわ」的利他-ケアの現場より(伊藤亜紗)より


●合理的利他主義
利他が自分のためになる。
他者に利することが、結果として自分に利することになる。
情けは人のためならず。

ジャック・アタリの「利他主義」
パンデミックを乗り越えるためのキーワード
みずからが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要がある

●効果的利他主義
合理的利他主義をさらに推し進めた主義。

ピーター・シンガーの考え。

幸福を徹底的に数値化。
得られる善を事前に評価し、最大になるところに寄付の対象を定める
(同じ寄付をするならどこに寄付するのが効率的か)

●利他とは「うつわ」のようなもの。
相手のために何かをしようとしているときであっても、
自分で立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持っていること。


cf. 鷲田清一
ケアというのは、「なんのために?」という問いが失効するところでなされるもの。
(条件なしに、ただ受け入れること。)


●利他の他は人間だけに限らない(自然とか)


neco5959 at 19:56|PermalinkComments(0)本の紹介