2018年01月16日

大学が破綻した時、職員の身の振り方は?

yomi171231

読売2017/12/31「私大112法人 経営難」
読売2018/1/12「私立大、独自研究に活路」

12月下旬、私立大学事業団より、私立大・短大の経営状況の分布が
公表された。全国660法人がその対象。

2019年度末までに破綻のおそれ 21法人
2020年度以降に破綻のおそれ 91法人
以上で、112法人。

そのほか
経営悪化の兆候がみられる 175法人

年末の読売トップ記事。
特に大学関係者は、年の瀬に、あらためて事実を突き出され、
あまり気分がよくなかったに違いない。

よく書き込みがされているのが、「大学名の列挙がない」。
そこまでは、新聞社が自粛したということである。

こんな数字だろうと思ったと、大学関係者がうそぶいたとしても、
国もマスコミも、既に、112法人の大学を”そういう目”で見ているわけである。
一般市民に公表しなかっただけ。

112法人は、本当に破綻するのか。
それとも生き残らせるのか。

その学校に所属する学生たちは、他大学に転学するかもしれない。
それは、比較的しっかり考えてもらえるところだろう。

しかし、教職員は?

教員は、その研究力で、他大学に転職できるのか?
職員は、どのスキルで、転職できるのか?
そのときの年齢制限は?

うまく経営が行っている大学であっても、
そんなに、大勢の職員は引き取れない。

仮に、統廃合されたとして、
実際、職員を受け入れてもらった場合でも、
立場の弱い側の大学職員は、肩身が狭い、もしくは、肩たたきか。
そんなの、民間企業の統合事例で、よくある話。

いま、銀行員ですら、転職に苦労する時代。
大学職員のつぶしは、民間に効くとは思えない。

しかもオリンピック開催前に分かる。



その流れでみたときの、1月12日の読売記事。
私立大学ブランディング事業の取組みが書かれている。
記事中で、東京理科大、新潟工科大、吉備国際大、近畿大が取り上げられ、
表としては、北海道科学大、東北公益分科大、法政大、多摩大、
金沢工大、松本大、京都産業大、徳島文理大、福岡歯科大、西九州大学短大

と、掲載されている。

記事の最後にコメントとして、倉部史記さん。
「大学の生き残りには、学術界に加えて、社会からどう評価されるかも大切。
ブランド力があがれば、卒業生からの寄付や企業との共同研究も期待できる」

「何が本当の強みなのか」
「何が社会に時代にアピールできるのか」

もう、残された時間はあまりない。
あえて、toggetter と、過去記事をリンクしておく。

「私大112法人が経営難で21法人は2019年末までに破綻する恐れ」廃校、統廃合…一体どうすべきか




【新ねこブログ】衝撃!15年後の県別大学定員充足予測公表ー平成45 年の大学どうなる?

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neco5959 at 13:55|PermalinkComments(0)大学関連 

2018年01月15日

MOFUJI COFFEE その3 なんと同級生~珈琲とアートの原点

MORIFUJIさん(以下Mさん)に、クリスマス仕様の包装を配達していただいたとき、
12月上旬にしては、小春日和の昼下がりであったこともあり、
玄関先で、話がはずんだ。

「もしかして、同じ年齢ということは、、、
 同じ小学校の同級生!?」

なんと、近くの、小学校(写真)の同級生なのであった。
それから、二人で、知り合いの同級生の検証。
Fくん、Sくん、Iくん、Yくん、と名前が出てくる。
4年生の時の、強烈な担任K先生とか。

小さな事件、思い出が、走馬灯のようによみがえった。
でも、お互いをどうしても思い出せないので、
どうも同じクラスではなかったのかもしれない。

地元に住むということは、こういうこともあるんだ!
私は中学から地元を離れてしまったので、小学校時代の友達と
つながっているのは、数人しかいない。

「いつか、じっくり、お話ししませんか」
ということで、意見が一致。

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新年あけて。
Mさん夫妻と、私が12月、設立した新会社の、共同経営者Yさんも交え、
地元のイタリア料理店「イタリア倶楽部」でランチをすることになった。
お互いの小学校の思い出話をした後、私は、思い切って
Mさんが、珈琲店を営むまでの経緯を、聞いてみた。

ジュエリーデザイナーだったこと、
方向転換し、珈琲の焙煎の道を選んだこと。
陶芸が好きなこと、、、

「”火”が好きなんですね」
共同経営者のYさんがコメント。

「そうかもしれない」

また、Mさんは、小学校の思い出と共に、
今の芹澤公園(昔は水源地と呼んだ)を走り回った時に見つけた、
縄文土器の破片に、心を躍らせた話をしてくれた。

「土器の破片を結構見つけることが多くて。
その土器は、古い時代の物なのに、細かな飾り付けが
施されていて、その素朴なデザインに目が釘付けになった」

「土器を見つけることが、うれしくてたまらかった」

その頃から、彼は将来目指すことになる、
ジュエリーやデザインへの熱い思いを、秘かに育んでいたのだろう。

私も、野山を走り回ったが、土器は見つからなかったなぁ。
かすかな嫉妬を持ったが、たとえ土器を発見したとして、
小さい頃の私は、何を思えただろうか。

Mさんは、今は「珈琲豆」に魅せられて、日々、焙煎の釜に火を入れ続けている。
豆のかすにまみれながら、焙煎をし続けている(たぶん)。
珈琲豆に、土器の美しいかけらを探し求めるかのような、
修行を重ねているようにも思える。

それが、サイトにも表現されている。

Coffee roasting is ART – コーヒー焙煎はアート

焙煎士が100人いれば、100通りの焙煎方法があり、同じ豆を同じロースト度に仕上げてもそれぞれ味が異なってきます。見た目ではほとんど区別がつきませんがカップには現れてくるのです。コーヒー焙煎は生豆を焼くという一見してシンプルな作業。シンプルにも思えるその中に多様さを秘めています。


(中略)

MORIFUJI COFFEEでは焙煎の過程に於いてそれぞれのフレーバーの元を開いたり閉じたりするようなイメージを持ちながら焙煎を進めていきます。口に含んだ瞬間、鼻を抜けた時に感じるフレーバー、そして後味、余韻。一杯のコーヒー、そのひと時をいかに印象的なものにできるのかを考えています。

森藤珈琲について」より


また、MORIFUJIさんの珈琲が一段と美味しくなりそうだ。



neco5959 at 23:41|PermalinkComments(0)さがみ野ネタ 

2018年01月14日

衝撃!15年後の県別大学定員充足予測公表ー平成45 年の大学どうなる?

昨年末(H29.12.28)中央教育審議会の大学分科会で、公表された、「今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理」。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1400115.htm

大学の統廃合の考え方について非常に整理されて書かれており、
つい最近まで大学関係者であったこともあり、全く他人事に思えませんでした。


その記事のなかに、参考データが記載してあったのが目に留まりました。(P17)

資料1-3「資料1-3 高等教育に関する基礎データ(都道府県別)数値補正後」を利用して、
簡単ですが、都道府県別のH45(=15年後)の定員充足率予測を色分けしてみました。

(元にしたデータは、下記のように、表形式にしておきました)


chartH45

赤が濃くなるほど、定員充足率が低くなるという地図です。

地方が一律真っ赤なのかというと、北と南では、

色の付き方が違いますね。


具体的な数字の根拠は、資料1-3です。

ちなみに、この統計地図は、コチラのサイトにある、エクセルで作りました。
連載「Excelによる統計グラフ表現法」第92回(古田裕繁 著)より
Google Map Chartを利用した都道府県別塗り分け地図作成マクロ


資料の根拠となるH45充足率データ自体の推測の根拠ももう少し詳しく知りたい
ところ。
(基にした資料には、

人学定員充足率推計【H45】:

H45の入学定員がH28と同じ場合の入学定員充足率(国公私立合計)

国立教育政策研究所による推計とだけ書いてあります。)


また、これだけをみて、文科省がどう考えるか、各県、各大学がどうするか、
というわけにもいかないとだろうことは想像できます。


ですが、自分の大学の歩み方を考えるにあたって、
あえて少し俯瞰的に考えると、違う考え方も見えてくるような気がしました。


以下引用。

(リンクのところはわかりやすいように、リンク先の資料タイトルに修正した)


当部会においては、全国的なデータだけでなく、各地域において将来推計がどうなるのか、それぞれの高等教育機関にどのようなインパクトがあるのかを可視化する観点から、都道府県別に、現在の大学進学者数、進学率、国公私立別の大学数と入学定員、さらには大学進学時における自県内外への流出入の状況等を示した上で、国立教育政策研究所の推計を元に、こうした傾向が続いた場合の平成45 年の大学への進学者
数、入学者数、定員充足率を推計した。数字だけではなく、地理的な学部の配置状況や設置されている学部の分野がわかるよう、各都道府県の地図上にマッピングした。 (平成29 年12 月15 日 大学分科会(第139 回)・将来構想部会(第10 回)合同会議
資料1-3、1-4)


資料1-3 高等教育に関する基礎データ(都道府県別)数値補正後 (PDF:604KB) PDF


資料1-4 高等教育の将来像に関する都道府県別基礎データ(数値補正後)1/2 (PDF:4247KB) PDF


資料1-4 高等教育の将来像に関する都道府県別基礎データ(数値補正後)2/2  (PDF:4247KB) PDF


このデータから、都道府県ごとに、平成28 年度現在の国公私立大学の入学定員の合計と
平成45 年の入学者数の推計とを比較することにより、将来不足する入学者数を算出することができる。
この数は個々の大学が今後の定員の在り方を検討する上での基本的なデータとなる。もちろん、今後、18 歳で入学する伝統的な学生だけでなく、多様な年齢層の学生を受け入れていくことも可能であり、必ずしも推計どおりの定員削減が必要となるとは限らない。いずれにせよ、大きなシェアを占める18 歳での入学者数の推計と、分野の違いを含めた大学の配置状況を可能な限りわかりやすく可視化しておくことは、各高等教育機関が他の機関との連携・統合(P8~P9参照)を含めた将来の組織改編等の戦略を立てていく上でも重要と考えられる。


 
県名 入学定員充足率推計【H45】
北海道 76.6%
青森 63.7%
岩手 76.8%
宮城 79.6%
秋田 70.7%
山形 78.1%
福島 72.3%
茨城 84.9%
栃木 82.4%
群馬 81.2%
埼玉 93.7%
千葉 86.8%
東京 97.5%
神奈川 94.1%
新潟 77.2%
富山 77.8%
石川 79.6%
福井 82.5%
山梨 92.3%
長野 80.9%
岐阜 76.6%
静岡 83.0%
愛知 88.6%
三重 86.7%
滋賀 89.6%
京都 86.7%
大阪 82.4%
兵庫 81.0%
奈良 84.1%
和歌山 82.0%
鳥取 85.2%
島根 86.6%
岡山 82.1%
広島 82.1%
山口 87.8%
徳島 71.5%
香川 77.8%
愛媛 81.5%
高知 84.4%
福岡 94.5%
佐賀 89.2%
長崎 77.0%
熊本 88.0%
大分 72.0%
宮崎 83.3%
鹿児島 82.5%
沖縄 100.7%

(国立教育政策研究所による推計)


neco5959 at 23:24|PermalinkComments(0)大学関連