2018年03月

2018年03月15日

媒体社の大学アンケートや高校生模試結果は、誰のため?

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大学職員で、侮れない業務の一つは、
マスメディアや各媒体社のアンケート回答である。
同じような設問をなんども回答しなければならない。
しかも、正しく。

代表的なもので、朝日、読売新聞、旺文社、大学通信、リクルートなど。
大学ポートレートなどもある。
それで、新年度になると
各社媒体から様々な編集をされた冊子や記事が発行される。

データに基づく、自学のよいアピール記事が一緒に掲載されれば
広報担当としては、御の字だが、
他大学との比較によっては、
苦労してデータ収集した割には、上位層からまたは教員から
怒られるネタになったりする。

また、大学はデータ提供はしていないが、
加えて、模試データや高校が集まるメディアを持っている会社であれば、
(進研、河合塾、駿台等)
7月以降、模試ごとに、大学別の志望者動向分析表が提示され、
大学向けのセミナーが開催されたり、
これに基づいた、広告出稿のご提案が出てくる。

しかし、この様々な切り口のデータは、
大学の募集広報活動計画に、本当に役立っているのか?
または、高校生の志望大学決定、高校進路指導に役立っているのか?

この各社データ結果は、各大学のためでもある、といわれつつ、
編集の方向性や切り口が全く異なるため、
分析、編集結果を単体で見るしかなく、見比べるということがしにくい。

となると、これは各媒体社の商品や営業ツールでしかないのではないか?
と、情報公開の流れではあることは十分に認識したうえで、
なにかやりきれなさを感じる。

このデータを整理し、本来あるべき形である、
大学募集分析、活動、そして高校生の進路決定に
有効に利用する方法はないものか、ずっと考え続けている。
職員が苦労しただけある、「本来の果実」を受け取ることができないだろうか。
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neco5959 at 18:55|PermalinkComments(2)大学関連 | つぶやき

2018年03月12日

ベスト睡眠時間は?

起業をして、一番、身体が楽なのは、
朝の通勤ラッシュを体験しなくてよいこと。
そして、朝の起床時間をスケジュールに合わせてコントロールできること。
要は、最大の「実績」を上げればよいのであって、
そのための、身体のベストコンディションを自分で考えればよい。

現在、50歳になろうとしている私のベスト睡眠時間は7時間だと思う。
様々なストレスがなくなっても、ベスト睡眠時間が変わらないのは
なぜなんだろう、、、?

さて、私は年齢と共に、ベスト睡眠時間は変わっていくのかどうか?
一般的には、こうらしい。

何時間寝るのが正しい?自分にあった睡眠時間の見分け方(営業サプリ)

ちなみに、民間会社から転職して、学校法人の広報担当の職員になったとき、
すごく健康的になった。
というのは、キャンパスをカメラを持って歩きまわったから。
また、勤務地が近くなったせいもあり、通勤ストレスも減った。
(最初は徒歩15分→大学に異動になって、自転車20分とか)
でも、やっぱり、ベスト睡眠時間は変わらなかったなぁ。

ただ、退屈な会議でもあまり寝なくなったのは、
振り返ると、十分に睡眠がとれていたという証拠かもしれない!?





neco5959 at 01:00|PermalinkComments(0)つぶやき | 大学関連

2018年03月06日

ありそうでなかった企画!「てつがくカフェ×別れの博物館」

ありそうでない、企画!
「別れの博物館」の見学者と意見交換する、対話イベント「てつがくカフェ」。
4/2夜、「別れの博物館」とコラボ開催です!

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これは、「別れの博物館」(会期:3/31-4/14 於 アーツ千代田3331)の
開催期間中である、4月2日に、「てつがくカフェ」という対話イベントを
開催するというものです。

【きっかけ】
私が「別れの博物館」を、主催者のカネコ・アンド・アソシエイツ・ジャパンの
方にご案内いただいたときに、下記の疑問がふつふつと起こりました。

「別れの博物館」って、何?
なんで、「別れ」たのに、思い出すものを、わざわざ展示しているの?
なんで、別れの記念品を、集めて、全世界を回っているの?

最初は、クロアチアの歴史にまつわる展示なのかと思いました。
でも、どうも違うようです。
私もこの博物館のことを、周りに紹介すると
「???」という顔をされます。

ということで、思い切って
「みんなで、この博物館のテーマを考えてみよう」と企画したのでした。
新会社を設立して、初企画です。
博物館を見てから、見学者たちと意見交換って、ありそうでないでしょ?
ちょうど「別れ」「出会い」の季節。
2時間、じっくり、このテーマに寄り添ってみませんか。

■てつがくカフェ×別れの博物館 開催概要
 
【日時】 2018年4月2日(月)18:30-20:30(開場 18:15)
【場所】 アーツ千代田3331 1Fラウンジ
(東京都千代田区外神田6-11-14)
【ファシリテーター】 株式会社シンクアップ代表 栗原直以
【グラフィック協力】 波止場てつがくカフェ  

【参加費】 1,000円(当日支払)
【定員】 20名(要予約。定員になり次第、締切)

【申込】 thinkupltd@gmail.com  に、
1)名前、2)〒 3)住所、4)電話をメールしてください
(4月1日12:00正午締切)
【主催】 株式会社シンクアップ 
【協力】 株式会社カネコ・アンド・アソシエイツ・ジャパン


【詳細説明】
「別れの博物館」は、2006年、クロアチアの元カップルがスタートしたもので、一般の方々から、「別れ」の際に残された「思い出の品」とそれにまつわるエピソードを募った品々を展示する博物館です。これまでに世界29ヵ国、45都市を巡回、日本では、株式会社カネコ・アンド・アソシエイツ・ジャパンが主催し、初開催となる展覧会です(会期=2018年3月31日(土) ~4月14日(土))。

この企画のコンセプトに深く関心を寄せた、株式会社シンクアップは、4月2日(月)、同会場、アーツ千代田3331にて、本博物館とのコラボレーションイベントとして、「てつがくカフェ×別れの博物館」を企画しました。この企画では、博物館見学者と、感想や意見の交換をするだけでなく、「てつがくカフェ」という対話形式をとることで、博物館の展示や、コンセプトについて、じっくり考え、語り合うひとときを持ちます。このイベントを通じ、参加者同士が交流し、自分では思いつかなかった考え方を見出し、展示を改めて深く味わうという、珍しい試みです。なお、本イベントのファシリテーションは、当社代表が担当します。

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■別れの博物館(参考)
http://brokenships.jp/

■てつがくカフェとは
わたしたちの日々の生活や、哲学的な問いに溢れています。恋愛、友情、働く、生きる意味、、、わたしたちは通常なんとなくわかっているような気がしますが、あらためて尋ねられると、それらについて明確に説明できないことに気づかされます。「てつがくカフェ」とは、参加者とともに、ゆったりとした空間で、お茶などを飲みながら、「哲学的な対話<話す⇔聞く>を丁寧に積み重ねてじっくりと考えていくこと)を通して、困難な問いかけに向き合ってみる対話の時間です。今回の「てつがくカフェ」では、「別れの博物館」の展示やコンセプトをテーマに語り合います。哲学の知識はいりません。


■本件に関する取材・お問合せは、以下にお願いします
株式会社シンクアップ 栗原直以
メール thinkupltd@gmail.com



2018年03月05日

落合陽一『日本再興戦略』を読む

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落合陽一『日本再興戦略』(幻冬舎)を読む。
さらっと、数時間で読める本。
落合陽一は、とてつもない、若い天才という認識なので、
話についていけないのではないかと思ったが
ベストセラーだけあり、納得できるところや、刺激を受けることも沢山あった。

自分自身が、教育業界に長くたずさわっていたので、特に教育のところに関心を持った。

幼稚園で、すべきことは、五感をフルに働かせること。(P208)

落合さんは、集団教育ではなく、家庭教師を雇い、個別の才能を磨くことを推奨。
大学院生が、1日1万円で3人の子どもを見るのであれば、一人当たり3000円で
コスト的に、見合うのではないか、
幼稚園に行く必要はない。
というのは、腑に落ちる。

悪いが、若い幼稚園の先生の技量は、ある分野に長けているわけではない。
元気かもしれない、それなりに保育の知識はあるかもしれないが。
担任の先生との相性も、多分にあるし。


小学校で大切なのは、好きなことやアクティビティを見つけること。
(p210)

私が救われたのは4年生のとき。
担任の先生が、NHKのみんなの歌の詩を作った(どういう経緯かわからないが)
というだけあって、詩や童話の創作には意欲的だった。
劇も原作のストーリーをパロディに仕立てて、子どもたちに演じさせる。
今、考えれば、私が、大学で「国文学」を専攻したり
国語の先生を当初目指していたのは、ここらへんが原点なんだと思う。

センター試験をやめること
センター試験があることによって高校の教育スタイルが規定化されてしまう
(P213)

私の時代は、共通一次試験だった。
よく考えられたバランスのよい試験だと思ったけれど、
意外に難易度が高い=つまりそれなりに対策をしないと、切り抜けられない。

得意分野に特化して勉強し、合格するのは、
国公立では、AOでないと難しいかもしれない。
個人的には、数学も世界史も生物も、
”それなり”に勉強することができたところはよかったけれど。

でも、受験勉強は本当に窮屈だった。
暗記科目は、結構忘れてしまった。
受験に役立たないから、という理由で、切り捨てたものが沢山あった。
あんな勉強の仕方はもう二度としたくない。

もう、鼻から、バランスよく全科目を勉強させることは、あきらめた方がよい。
極端な話、教師は、学ぶ楽しみを教えることに注力すればよいのではないかと思う。

そういう考え方をすれば、ゼネラルなリーダーはいらないし、
チームで、新しいプロジェクトをどんどん進めればいい。
勉強したくなったらできる世の中。そのゆとり。

働き方改革は、生産性を上げることに力点があるのであれば、
もう少し、考え方が自由にならないと。

自戒を含め、若者に学ぶくらいの発想の転換が、
これからの日本の飛躍に、ちょうどいいかもしれない。

これから若者、子どもをどう育てるかー
残念ながら、もう自分の感覚や受けた教育は
「間違っている」というところから始めるべきなんだろう。











neco5959 at 20:32|PermalinkComments(0)本の紹介 | 大学関連

2018年03月03日

データサイエンティストの育成に思う

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3月2日、

日経ユニバーシティ・コンソーシアム   データサイエンスが拓く未来フォーラム2018


に、午前の部に少しだけ参加。

第1部「データサイエンス~産学連携教育研究セッション」


大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンター・ホールで、

定員350名の事前申込制だったが、ほぼ満席。


主催が、滋賀大学と日経新聞社ということもあり、

滋賀大学データサイエンス学部の大規模プロモーション・イベントである。

ざっと参加者の顔ぶれをみたが、企業の参加が大部分のようだった。


企業側のニーズももちろんあるだろうが、
一番初めのデータサイエンス学部ということで、

国の予算の考慮もされやすくなっている結果、ホームグラウンドでなくても

このような満員御礼の集客につながっているのだろう。


滋賀大学は、そもそも、経済学部と教育学部しかなかった。
そこを特色化させようとして、「データサイエンス」を立ち上げたのだと思うが、
よく”滋賀”からスタートできたなぁ、というのが素朴な感想。

2015年の記事になるが、ダイヤモンドの記事で、当時の学長、佐和隆光さんの
統計学の日本歴史が詳しい。

大学は職業訓練校になるべきか?
文科省がいう「真の学力」とは何なのかを追求し
滋賀大学がデータサイエンス学部を新設する理由
佐和隆光氏×坪井賢一対談(後編) 2015.9.18


ビッグデータ時代といわれるのに、日本の大学には統計学部や統計学科が一つとして存在しないのです。なぜかというと、明治維新後、日本が高等教育制度を整備するにあたり手本としたドイツの大学では、統計学講座が経済学部の中にあったからです。統計学は、社会・経済統計を研究対象とする実体科学であり、国勢学に他ならなかったのです。

 旧帝国大学の法科大学から経済学部が分離したのは1919年のことですが、もともと法科大学の中に統計学講座が設けられており、経済学部が分離後、統計学講座は経済学部にうつされました。ミュンヘン大学に留学後、法科大学統計学講座の助教授に就任した高野岩三郎が主導して、1931年に日本統計学会が創設されました。蜷川虎三さん(京都大学経済学部の統計学教授、元京都府知事)のような日本共産党系の講座派と、有沢広巳さん(統計学者、元東京大学・法政大学教授)のような労農派との、マルクス主義統計学者間の対立もありました。


1940年代に入ると、主としてイギリスで開発された推測統計学が日本にも移入され、1941年に統計科学研究会が創設されました。統計科学は、統計学とは別物扱いされていたのです。(略)

 その後は、経済学部の統計学も計量経済学に置き換わり、日本統計学会に推測(数理)統計学者が加入するという異変が、1960年代初め頃に起こりました。1960年代後半に、大学の工学部に統計学科を、大学院の工学研究科に統計学専攻を設けようという試みがあったのですが、お話ししたような歴史的な背景が障害となって、実現しないまま今日に至っています。そのため、日本の統計学者は分野点在型に散らばっているのが現状なのです。

滋賀大学が「データサイエンス学部」を作れる理由について、下記のように述べている。

仮に総合大学でデータサイエンス学部を作ろうという機運が盛り上がっても、経済学部、工学部、理学部などの間で主導権争いが繰り広げられることになるでしょうね。理学部が主導すれば、ルベーグ積分のように高度な数学を修めた上で確率論をやり、統計学に降りて来るといった具合になり、データと馴染む機会が少なくなる。工学部が主導すれば、コンピュータサイエンスに重きが置かれ、既存の情報工学科や数理工学科と差別化しにくくなる。経済学部が主導すれば、これまた片寄りが生じてしまう。自然や人間がらみのビッグデータを扱えるデータサイエンティストを養成できなくなる。

 総合大学でない滋賀大学だからこそ、学長のリーダーシップの下で統計学と情報学の適切なバランスのとれた学識、そして各種領域科学とのコミュニケーション力を備えたデータサイエンティストを養成する学部を創ることができるのです。


滋賀大学は、ひとまず2017年4月にできて、1年生は定員100名のところを110名と
ひとまず、募集はうまく行っているようである。
「文理融合」を目指すというが、
今、やはり企業がほしいのは、大学数学の基本は押さえつつ、
社会、経済、マーケティング等の知識も持っていて、
コミュニケーションもできるデータサイエンティストだろうなぁ、、と思う。

ただ、本当に滋賀大学の教育やカリキュラムの方向性で、
本当に企業に活躍する学生が輩出できるのか。
いち早く社会に貢献するなら、大学院から作ってもよかったのにね、とか思う。
(2019年4月にできるそうですが。)
日本は、この分野の人材育成が、本当に遅れているわけなんだし。

いま、教育熱心なのは中学、高校なので
「データサイエンティスト」育成コースとか、
やっちゃってもいいんじゃないか(N高校はその走りかな)
などと、つらつら思いながら帰宅。

追記:データサイエンティスト育成は、ポスドクの人材活用対策にもなっているようですね

「データ・サイエンティストがビッグデータで私たちの未来を創る」(樋口 知之)
(「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE))





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