大学が破綻した時、職員の身の振り方は?神奈川県央ママ向け情報誌Laugh!

2018年01月19日

急に「地方の小さい大学」がクローズアップの本当の理由

リクルート・カレッジマネジメント【208】Jan.-Feb.2018
「小さくても強い大学の『理由』」
を拝読。
大手の大学経営に関する冊子であるのに、丸ごと、小規模大学に焦点を当てた特集
というのは、珍しいのではないか。

「地方の小さい大学」応援しますよ、という体にも見えるタイトルだが、
年末の読売新聞を見ればわかるように
「いよいよ統廃合、本格的にやりますよ」という最後通牒に見えてしまう。

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大学募集セミナーでも、「話を届けたい人」の対象は、一般的には
大規模大学の担当者が想定されている。
(そこに大きなマーケットがあるので、狙うのは当然の行為である)。

いま、「小規模」「地方」の小規模大学に注目するのは、国の意向であろう。
巻頭で、8ページも「私学事業団」が寄稿するというのは、前代未聞だ。

データから見る小さくても強い大学
菊池裕明 日本私立学校振興・共済事業団 私学経営情報センター長
栗栖誠子 日本私立学校振興・共済事業団 私学経営情報センター 副参事







それだけに、「地方の小規模大学」に何を言いたいかがよく分かる内容になっている。

・定員割の大学は、生き残りがヤバい
・定員割れになる大学の規模は、定員800人以上→500人以上でも可能性が出てきた。
・医歯学以外の大学で生き残る可能性が高いのは、保健(=国家資格取得可能)、社会科学系(=公務員)などの、実学系で実績を出している大学。
・特徴のある個性的な大学は生き残る(定員充足している56%の大学が、改革総合支援事業に採択されている。=改革総合支援事業に採択している努力をしないと、ヤバいですよ)


具体的にエリアごとの表も付いているのだが、
少なくても、自分の所属する該当エリアをじっくり読み込むべき。
さて、エリア内で、充足率ランキングを作ったときに、自分の大学がどこに存在しているか。
ちなみに、この数字の根拠がきちんと明示されていないのだが、
生き残り戦略を考える場合、下記も考慮しておきたい。


・各エリアに入っている大学数には、医療歯学の単科大学も入っている
(前頁で、医療系は入っていない分析をしているので、紛らわしいが)

・各エリアに所属する大学に、本部が別のエリアにある大学は、入っていない。


上記のことを、大学側ではなく、高校側の立場になっていた場合、
偏差値だけでなく、「潰れそう」な大学であるかどうかも選択基準になってくるはず。
進路指導の先生は、さすがに、教え子を潰れる恐れのある大学には入れたくないはず。



そして、大学の生き残りを考えるのに、「大学」の中の論理や高校生の志向だけを
考えるのでは生き残れない。

まちの将来(=地方自治体との連携)、学生の就職先(=地域の企業の魅力化)なども
一緒になって(=大学以外の組織を巻き込み)、存在価値をアピールしないとならない。
高大連携、地域貢献、大学連携に、手間と労力がかかる、と言っている場合ではない。

あえて事業団の目になって、自分の大学が必要と思われているかどうかを冷静に考えて
みると、やるべきことが見えてくる。
ただ、以上の折衝をこなすのは、特に大学教職員が動かないとうまく回らない。

皆で事業団に相談してみる、というのはどうかなあ、なんて、考えている。




neco5959 at 11:33│Comments(0)大学関連 

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