大学広報

2020年03月24日

卒業式動画と大学広報

卒業式2020

新型コロナの影響で多くの大学の卒業式が従来の形で挙行は中止になった。
ということで、今年の大学の卒業式動画は、式典の模様を掲載するというのとは
かなり違うテイストであり、企画・制作者の思い入れもひとしおのような気がした。
卒業式に間に合わせようと、時間のないなか、緊急企画した大学も多かったのではないだろうか。


全てを見ていないが、印象に残ったのは、九州産業大学。
以前、流行った恋するフォーチュンクッキーの動画のノリが感じられるが、
楽しい、温かい感じがいい。
コンテンツとしても、大学学長メッセージにプラスして、学部長の一言(全然長くない)、
部署からの一言。そして大学出身芸人、江頭2:50も出演w
音楽の著作権処理もきちんとしている。
卒業式が、しっちり広報になっているのが素晴らしかった。

九州産業大学 動画サイト


予算がないなか、頑張っていたのが「崇城大学」。
九産大に比べればもちろんシンプルだが、スマホで編集して拡散する。
広報担当を応援したくなった。リリースから。

卒業式が中止となったため、少しでも卒業のお祝いの気持ちを学生たちに届けたいという想いで作成しました。広報課の課員がスマートフォン一台で撮影し編集したため、プロが作成する動画には程遠いですが、教職員と大学内で学生に関わったスタッフみんなの思いが詰まった暖かい動画になったと思います。3日間で全ての撮影・編集を終え、なんとか卒業式を開催するはずだった当日に配信することができました。ぜひ、ご覧ください。」



たまたま、いずれも九州の大学になってしまった。

やむをえない状況(コロナ)の上、
ヒト、オカネ、時間など、いろんな事情はあると思うが、
大学が学生により近くなるタイミングとしての卒業式を、広報はおおいに活用するべき。
このタイミングで歴史やスピリットを振り返れば、インナー広報にもつながる。

そして動画だけでなく、卒業式があれば、もう少しアピールできただろう、
在学時の活躍なども、リリース等でアピールすることも大学がしてもよかったように思う。
(あまり今年はそういう記事を目にすることが少なかったような気がする)。



neco5959 at 14:10|PermalinkComments(0)

2018年06月02日

大学定員超過抑制と今後の影響

2016年度から始まった、文科省の大学定員超過抑制。
毎年だんだん厳格化されて、昨年度の入試は、
定員の大規模大学(8000人以上)では、定員抑制が1.10倍以上
中規模大学(4000人~8000人未満)では、1.20倍以上で、
補助金が不交付になるというから、各大学が必死になるのは当然。

もちろん、この影響で、ホッとした小規模大学も多く、
(なぜなら、小規模大学はこれまで通りの1.30倍以上でないと不交付にならない)
かなりの小規模大学が、昨年に比べ入学者を増やすことができたはずだ。
混乱ぶりは、NHKのサイトに詳しい。

つまり、今年の入学者はこれまでと違い、学力レベルにかなり異変が起きているはず。
NHKでは第一志望の大学に入学できた学生の例が出ているが、
そうでない例もたくさんあるはずとなると、中退率増が不安材料となる。

また、これで、首都圏の大学進学をあきらめ、
地方大学まで、入学者が戻ってくるかというと、それはまた別の問題である。
首都圏大学より、地方の大学入学のメリットがない限り、難しい。

もちろん、私は地方大学の存在意義を否定するものではないが、
地方の問題としては、大学だけで解決するのではなく、地方での就職、活躍、
授業料などもセットにして整えないと、都市を諦めて地方へという選択を
しにくい可能性がある。




ということで、これらのホットな課題を、このたび
大学広報セミナーということで、6月19日(火)に実施することを企画した。

前半では、キックオフで、旺文社パスナビ編集長の方のプレゼンを皮切に、
参加者同士の意見交換をワールド・カフェ形式で実施。
大学教職員だけでなく、高校も、一般の方もフラットな関係で、意見交換をする。
後半は大学通信の常務取締役の安田賢治さんによる講演。

通常大学のセミナーは、企業が自社サービスをセールスするために、
昨年度分析が語られる事が多いが、そういうストーリーではなく
データに基づく、ニュートラルな分析や傾向や予測を話して頂く予定。

大規模大学では、必要にかられ自学で分析を行うと思うが、
なかなか小規模では、そこまで分析できず、担当部署では
「入試部署が頑張ったから、募集結果がよかった」ことにする話も聞いたことがある。
(もちろん頑張っていることは否定しないが、、、)

だが、たとえば、学校指導要領やセンター入試なども変わっていく昨今、
大学教育が変わらなければ、新しい学生に選ばれない。
そして18歳人口の減少。
データに基づく冷静な分析と、改革への決断。

教育企業は本当は自社を飛び越して、大学間で連携や情報共有をされるのは、実は好まないはず。
だが、大学間で連携したり、情報共有し、改革できれば、一緒に生き残る可能性も出てくる。




neco5959 at 00:24|PermalinkComments(0)

2018年06月01日

日大アメフト事件と大学広報

かつてないほど「大学広報」というキーワードが飛び交った、5月後半。
20年間大学広報を担当していたが、ここまで、大学外の業界で盛り上がった記憶がない。
それだけ、SNSもネットも一般に定着したということだろう。

本来ならば、日大アメフト部事件は、ブログで即時アップしていくところだったが、
仕事でままならず。だが、過去に大学広報の記事を書いていたこともあり、
5月25日当たりのアクセス数はアップした。

大変残念だが、反面教師として、格好の事例となる、ニュースだった。
もちろん、その事件自体が、体育会の部活動としてあるまじきことなのだが、
長年、大学の広報を続けてきた立場からすると、
日大という、大大学にして、その広報的対処の仕方が、びっくりするほど、
残念な形だったということが、衝撃的だった。
以下、「広報」に絞って、考察してみる。

大きな組織だから、予算や人的資源が潤沢にあるから、
「広報」が完璧とは限らない、のだ。

日大だって、別に、広報に重きをおいていなかったわけではない。
広報部長が、マスコミ記者だったのだから。
となると、事前に、トレーニング(練習)をしてみるしかないのか。

しかし、「広報」は、広報担当部署だけの専売特許ではない。
どこの部署でも、本来的には、様々なステークホルダーに接し、
教職員は、自分の大学名を背負って、対応を行なっているはず。

日大の対応事例は、第三者であれば批判的にならざるを得ないが、
自分があの組織にいたら、どのように行動するのか、と考えたとき
意外に悩んでしまう職員は多いような気がする。
逃げないで、取り組めるか。
上司が、間違っている対応をしそうな時、意見することができるのか。
意見できそうにない場合には、どういうふうに動くべきなのか。

他大学の理事長、学長なども、あのような事例に遭遇したら、
どのように対応するのだろうか。

今回の事例が「大学広報」のあり方を、教職員が考えるきっかけに
なると良いと本当に思う。

<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=kurinao5959-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=B076M9G6MX&linkId=bc75c85966a329be8eb3fc3772a964cf"></iframe>


neco5959 at 23:09|PermalinkComments(0)

2017年11月27日

「個人」とつながることの大切さ

Book GKB48_1


私がfacebookを始めたのは2010年だったが、
本格的になったのは、2011年。
特に、3.11があって、
8月に学校広報ソーシャルメディア活用勉強会(GKB48)をはじめて
あっという間に、FBのとりこになった。
(写真は、最初に2012年にGKBカンファレンスを行い、2013年にインプレス
R&Dから出版した書籍)

不思議にFB疲れはしていない。
忙しかったり、気持ちがブルーなら、無理に更新頻度をあげなかったから。
人の「いいね」自慢が鼻につくこともない。
だって、facebookで、基本的に「いいね!」ワールドだから。

「大学」の業界は狭いところで、facebookを通じて、
日本の友達はあっという間につながった。
東北をはじめ、広島、熊本でも、ダイレクトに支援ができるようになったし、
情報も入るようになる。

「情けは人のためにならず」と思って、支援をするわけではない。
結果的にそうなっているだけ。
困っている友だちに支援したくなる、そういう気持ち。

被災地支援などをあげなくたって、
プレスリリースだって同じ。
マスメディアの記者と個人で、携帯電話やメールでつながった方が
よっぽど、情報が入る。
だいたい、時間外だって、マスコミから、個人携帯に電話が来た。
(もちろん、相手も急いでいるから電話しているわけで)
それを時間外だから困る、とかいっている広報担当は、今の時代にありえない。

それは、組織としてつながっているのではなく「個人」としてつながっている。
もちろん、今でもつながっているし、
たとえ、配置換えになっても、つながっている。
「ゆるい」はずなのだが、持続性という視点でみれば、かなり長持ちしている。

これが「組織」と「組織」のつながりだったらこうはいかない。
誰がやっても同じような仕事になるように、と、マニュアルを作ったりするし、
その意味はとてもよく分かるが、
一方で、「誰がやっても同じような仕事になる」んだったら、
こんな、つまらない仕事はない。
「あの人に」「あの人がいるなら」任せたい、お願いしたい、でしょ?本当は。

学内だって同じ。
部署と部署のお付き合いで、やっていたら、つながらない。
「個人」を前面に出す。
それを負担に感じるのかどうなのか。
良い意味の、個人プレーにならないと、いつまでも組織はよくならない。



neco5959 at 10:17|PermalinkComments(0)

2017年11月26日

まだ、紙の大学案内を続けるのかなぁ?

toyoweb

いま(12月)、大学広報担当者であれば、
大学パンフレット製作は、かなり大詰めのフェーズかもしれない。
大学パンフレット(紙)製作は、私も、大学広報担当時代、10年以上担当した(泣)。

大学パンフレットを辞めて、webに完全移行した大英断をしたといえば、
東洋大学(写真)。

きっかけは、GKB48(学校広報ソーシャルメディア活用勉強会)
今年2017年の5月に行った、近畿大学の世耕部長の広報セミナー
で、西の近大に行ったのなら、東は、と考えて
紙パンフをやめて、Web広報に舵を切った、東洋大学が候補にあがっていた。

それで、今回、12月19日に、東洋大学の入試部長、加藤建二さんに講演をお願いした。

「加藤さんの講演ね、聴いたことあるよ」と
言われることもよくあるのだが、

今回のGKBの講演会では、聴衆を「大学広報担当者」としているので、
具体的な、広報戦略の話が聴けるのではないかと思う。
また、参加人数も少なめなので、質問もしやすいはず。

「どうやって、教員にわかってもらえるのか」
「パンフ辞めたのに、どうして志願者数が増えているのか」
「教員の動画は、どうやって増やしていっているのか」

などなど。

ぜひ、広報担当の若手、新人の方も来て、刺激を受けてほしい。
改革に成功した人の話は、やはり得るものが多いはず。




neco5959 at 20:42|PermalinkComments(0)