大学広報
2017年11月26日
大学職員が広報魂を持ったら、学生も大学も変わるはず
大学の広報にいたときの、広報部署のモットーは
「息をするように記事を書く、瞬きをするように撮る」だった。
イベントに出れば、
スマホで撮って、その場でSNSに書いて、リアルタイムに発信が普通。
イベントでなくても、
キャンパスの色々な場所で、写真を撮り、スポット開発。
朝の最寄駅、帰りのバス停。
学生のつぶやき、お客様の何気ない一言から、大学の感想や足りないところをチェック。
もちろん、うれしい話もある。
公開できる話は、SNSでシェアして、スタッフで「いいね」をしあうし、
よい写真や記事は褒める。
もちろん、他大学の情報共有も。
それが、大学の職員がみんなやれたら、すごいことになるのにと思ったが、
それは全然簡単なことではない、らしい。
記事一本書くのも、
写真スナップを撮るのも
すごーーーーーく、嫌がるスタッフがいる。
Facebookなんて、とんでもない。
(まあ、それぞれ、理屈は分かるのだが、、、、)
別に広報という業種を絶対化するつもりはないのだが、
広報のスキルを身につけたら、結構、色々応用が利くと思う。
大学の話だけでなく、みんなが自分の所属する組織を「いいね」したら
どんなに拡散するだろう?
拡散したくなるような組織になるよう、社員は管理者は目指すべき。
どんなによい組織だって、大きな組織だって、広めなければ、認識されない。
オフがオンを活性化するー学校広報ソーシャルメディア活用勉強会ののこと
GKBは、facebook上の非公開グループで、2011年8月からスタートしたが、
私は、最初から関わっている。
現在は1800人強の会員がいる。(下記はGKB48で発行した書籍)
文字通り、学校、広報やSNSに関心の高い人達が集まって、情報交換をしているグループだが
小学校から大学までの教職員が入っているだけでなく、
教育関係の企業、文科省、マスメディアの方々も入っている。
しかも、このグループでは、全員がフラットな関係なので、
基本的には「さん」づけで、「先生」と呼ぶはナシ。
「無一文の発想」で、ボランティアでやる。
なので、これまでのカンファレンスや勉強会は、厚意で貸していただいている。
Facebookには、社会人には浸透してしまいすぎて、いまさら感があったり、
もしくは、
自分の情報をさらけ出すのは、ちょっと、、という方もいらっしゃるようだが、
個人的には、広報をやっていた期間が長い=プレスリリースに名前を出してきた
ので、あまり抵抗感がない。
名前やある程度のプロフィールを出した方が、得るものが大きいと感じている。
●
目下の課題は、Facebookグループのいまさら感に、
もう一度ゆさぶりをかけたい。
そのためには、どうすればよいかを1か月間考えてきた。
そこで、現時点で発見したのは、
オンだけでなく、オフでもつながること。
リアルが、バーチャルを活性化させる。
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大学改革だって同じーエキナカ事業を成功させた鎌田さん
「10社中、9社に断られた。でも…」 エキナカをグルメスポットに変身させたのは、勝算より熱意だった
JRのエキナカ事業を提案した、鎌田由美子さんの話。
女性だから親近感がわくというのもあるけれど、激しく共感を感じる。
自分が、新しいことをスタートしているからかもしれないけれど。
「駅の中でビジネスをしませんか、と(飲食店などに)提案にいくと10社中9社に断られました。いまでこそエキナカは一般的に知られるようになりましたが、当時は駅に良いイメージがなかったんですね。」
断られた理由は2つ。
「うちのお店を駅に出したらブランドイメージが悪くなる」
「あんな労働環境の中でうちの社員は働かせられない」
いま、私は「業種」ではなくて「業態」という言葉を使い分けました。
業種というと、薬屋さん、花屋さんというように「何を売るか」なんですね。
業態は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットのように「どう売るか」なんです。
私たちは業態をやりたい。エキナカの時も部下とそんなことを話していました。
私はこれまで新規事業をやってまいりましたが、一番難しかったことは、事業が形になったあとに「お前、何だよ、こういうことをやりたかったのか。ちゃんと言ってくれれば色々手伝ってやれたのに」と色んな場面で言われたことです。
結構、新しいことを提案するときには、色々言われるし、叩かれる。
大学広報でいえば、たとえば「オープンキャンパス」なんて、今ではどこでもやっている。
内容も結構同じ。
大きな大学なら、別にいいかもしれないが、whats new を打ち出さない限り、埋没する。
前例がないのが、新規事業。
うまく行ったときには、「なんだ、それなら手伝ったのに」といわれる。
ダメだったときには、叩かれる、しかし対案はない。
結構「勝算」はあるはず。
だが、ビッグプロジェクトであればあるほど、
「熱意」がないとやり通せない。
そして、人は「熱意」というかもしれないが、
かなり、本人は企画を緻密に考えている、考え続けているはず。
そこまでの本気が、当人にあるかどうか。
大学改革だって同じだし、
どんな新規事業だって同じ。
2017年11月22日
「広報会議」2017年12月号 大学広報担当者必読!
月刊「広報会議」は定期購読はせず、気になる特集記事を購入する派。
今回は、Facebook友だちに「激押し」されたのと、
目次に、知っている面々が登場するので、
つい、ぽちっと購入「広報会議 2017年12月号」。
「近大」の広報については、「近大革命」書籍購入前から知っていたが、
やはり、ここまで雑誌で大きく取り上げるということは、
大学広報のみならず、企業広報でも参考事例になるということだよね、と
改めて、感動。
私的(大学広報業務:20年間)には、
石渡嶺司さんの、「大学広報「できる・できない」の境界線」は、
すごくよく分かったし、
東洋大学×追手門学院大学の、
対談「デジタル活用はどうあるべきか」も、東西の広報マン対談で
面白い企画。
リアルに知っている方たちなので、生声が聞こえてくる感じの雑誌。
レジェンドの染谷忠彦(女子栄養大学 常務理事 )さんの記事も
岩田雅明(大学広報コンサルタント・新島学園短期大学 学長)の話も
全く、そのとおりの納得の記事。
「広報会議」に載るような大学や、広報スタッフのコメントは
本当にそのとおり、と思うことが多いのだが、
同じことを、別の大学で別の職員が、言っても
学内に全く理解してもらえないことがよくあるのも悲しい。
「広報」だけが突っ走っても、
理解できるような組織や管理者がいないと、よき「広報」となりえないし、
結果を出せない。
そういう意味で、「広報会議」に載るような大学は、
前提として組織に恵まれている、
または組織に理解されるような、計算や動き方をしている。
2017年11月17日
大学広報の手本「近大革命」感想
amazonレビューに掲載したものを、少し追記して再掲する。
「近大の広報がすごい」と最近よく話題になる。
その「すごい広報」の作り方がテンポ感よく説明されている。私立大学の経営や財務を抑えたうえでの、募集の広報(広告含む)と学院の広報を展開しており、その意味では王道である。
もちろん学生(受験生)の満足度を上げることにもキチンと注意を払う。
リリース結果などの、シビアな自己分析も行う。
表に見えるのは、「オモロイ」「奇抜」の「広報」。
広報は、一見華やかにみえるが、地味な作業の積み重ねや、丁寧な人間関係の構築、緻密な体制づくりがなければ成功しない。
正に白鳥の水かき状態(優雅そうな泳ぎに見えて、水面下では必死に足かきしている)。
特に企業でなく、大学という場は、教育、研究の役割大きく、私立大学であっても、内部の会合であっても、経営や利潤追求を全面に押し出しにくい場合もあって、コンセンサスを取るのがやっかいなのも事実。
そこを乗り切っている、近大の「どうだ!」の広報戦略には脱帽だし、簡単には真似られない。
だが大学は、本来は近大の広報姿勢を目指すべき。
本書は、大学広報のポイントが網羅されており、広報担当者の教科書と言える。
大学幹部もぜひ読んでほしい(切望)。
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