大学改革
2020年01月28日
朝日新聞・河合塾の学長アンケートは何が狙いなのか
学長に尋ねると、3分の2が「私立大が多すぎる」と答えた。
朝日・河合塾は、このアンケートでどういう結論を導きたいのでしょうか。
何にこのアンケートは使われていくのでしょうか。。
学長もみんな、言っている「私立大学、減らしたほうがいい」って。
政府のアンケートにもみえてしまう。
しかも、続く設問の回答...
私大の数を「多い」と考えている大学は、入学定員が3千人以上の大規模大は80%に達するなど、規模が大きいほど多い。(中略)
調査では各大学に、今後5年程度の間に、全学年の学生定員について増減させる予定があるかも尋ねた。(中略)
一方、「増やす・増やす方向で検討中」も18%あり、特に私大は21%に達した。私大が大半を占める入学定員3千人以上の大規模大は24%、大都市圏の大学は22%が増員を検討していると答えた。首都圏への学生の集中を是正するため、政府は東京23区の大学の定員増を抑制しているが、都内の大規模大の増員意欲は依然として強い。
大学の数は多すぎで、大規模大学は定員を増やしたいという。
結論は
「小規模大学は厳しいね」
2018年02月18日
岩田雅明著「生き残りをかけた大学経営の実践」(感想)
岩田雅明氏による、著作「生き残りをかけた大学経営の実践」(2018年1月発行)を拝読。
大学職員から、大学経営コンサルタント、そして、現在の新島学園短期大学の学長に
いたるまで、様々な大学の募集広報に携わり、実績を出し続けてきた方なのだが、
私としては、岩田さんの著書を読んだのは初。
新島学園短期大学の学長に2015年に就任から2年の短大経営、教育の実践を
つづった著作。
地方(群馬)における、短大で志願者数を増加させること自体、
全く簡単な話ではない(実際、同短大も2013年度までは定員割だった)。
それを、2013年夏に、同短大のコンサルに入られて以来、
充足を継続されている。
なお、短大は全国で現在304校、内、定員割をしている短大は、204校(67.1%)
その厳しい状況下でも、新島学園短大は、定員充足している貴重な短大である。
(日本私立学校振興・共催事業団 平成29年度私立大学・短期大学等 入学志願者動向)
著作自体は、難解な用語もなく、すんなり読み通せるが、
上記の厳しい短大経営の背景などを知ると、
「実践」は簡単なことではないことを、特に大学教職員は実感し、
岩田学長の実践が、長年の経験・実績と、しっかりとした理論に裏付けられたものである
ことを改めて、認識することになると思う(岩田雅明オフィス)。
個人的に、感銘したのは、
1.「変革」に現場を巻き込んでいく力量
職員の力を信頼し、その能力を高め、盛り上げていく力。
少ない教職員とはいえ、外部から来て、現場を「変えていく」ことは容易ではないはず。
少ない教職員数で、しかもスピード感が足りない、、、など、色々気づかれた点があるにも
かかわらず、対話を重視して、変革に巻き込んでいくことはなかなか難しい。
2.学長(管理者)であるにも関わらず、自ら現場で実践をすることを厭わない
学苑の広報を高めるために、自らリリース文を書き、マスメディアにアピールしたり、
高校訪問の実践として、従来の学校案内にとどまらない資料作りをされた点。
アピールポイントを押さえた「チラシ」「オリジナル名刺」などを実践されている。
3.数値化
募集、就活等、様々なイベントの数値目標設定および、振返り。
できていれば当然なのだが、管理者が分かっていると、担当者は変わる
「数字」で話ができない教育現場はかなり多いのではないかと思う。
【その他雑感】
組織で、改革を実践し、結果を出していくのに、
「理論」はもちろん必要だが、「人」を「あるべき方向」に動かさないとならない。
それぞれの組織で、様々な事情や力関係がある。
そこを読み解きつつ、戦略的に、絶妙なバランス感覚で、「改革」を成し遂げる
ことは、簡単なことではない。
だが一方で、小さい大学(短大)は、一人ひとりのちょっとした”正しい”努力が
学校の「生き残り」につながるのではないかとも思った。手遅れにならないうちに。
そういう意味で、大学同士がノウハウやスキル共有について、連携ができるといい。
または、大学が、意外に、高校から教わることがあるかもしれない。
(もちろん、反対もある)
NPOカタリバでナナメの関係(大学のお姉さんが高校生に教えるetc)の重要性がうたわれるが、
大学・学校組織間でも、ナナメの関係でのやりとりが、ノウハウ共有を生み出せないか。
あえて競争でなく、協働が、お互いの共存を生み出してもよい。
2017年11月26日
大学改革だって同じーエキナカ事業を成功させた鎌田さん
「10社中、9社に断られた。でも…」 エキナカをグルメスポットに変身させたのは、勝算より熱意だった
JRのエキナカ事業を提案した、鎌田由美子さんの話。
女性だから親近感がわくというのもあるけれど、激しく共感を感じる。
自分が、新しいことをスタートしているからかもしれないけれど。
「駅の中でビジネスをしませんか、と(飲食店などに)提案にいくと10社中9社に断られました。いまでこそエキナカは一般的に知られるようになりましたが、当時は駅に良いイメージがなかったんですね。」
断られた理由は2つ。
「うちのお店を駅に出したらブランドイメージが悪くなる」
「あんな労働環境の中でうちの社員は働かせられない」
いま、私は「業種」ではなくて「業態」という言葉を使い分けました。
業種というと、薬屋さん、花屋さんというように「何を売るか」なんですね。
業態は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットのように「どう売るか」なんです。
私たちは業態をやりたい。エキナカの時も部下とそんなことを話していました。
私はこれまで新規事業をやってまいりましたが、一番難しかったことは、事業が形になったあとに「お前、何だよ、こういうことをやりたかったのか。ちゃんと言ってくれれば色々手伝ってやれたのに」と色んな場面で言われたことです。
結構、新しいことを提案するときには、色々言われるし、叩かれる。
大学広報でいえば、たとえば「オープンキャンパス」なんて、今ではどこでもやっている。
内容も結構同じ。
大きな大学なら、別にいいかもしれないが、whats new を打ち出さない限り、埋没する。
前例がないのが、新規事業。
うまく行ったときには、「なんだ、それなら手伝ったのに」といわれる。
ダメだったときには、叩かれる、しかし対案はない。
結構「勝算」はあるはず。
だが、ビッグプロジェクトであればあるほど、
「熱意」がないとやり通せない。
そして、人は「熱意」というかもしれないが、
かなり、本人は企画を緻密に考えている、考え続けているはず。
そこまでの本気が、当人にあるかどうか。
大学改革だって同じだし、
どんな新規事業だって同じ。